第3回 高専の「メリット/デメリット」は表裏一体

高専の「メリット/デメリット」

濃く密な友人関係

○同じクラスの仲間と寮でもクラスでも一緒になるので仲が良くなる
×世間が狭くなる(寮生活を5年間過ごすと、5年間のほとんどの時間を高専敷地内で過ごすことに……)

多くの高専が田舎に設置されてますので、生活する社会空間としてはキャンパスや寮がメインになるでしょう。同じクラスの仲間と過ごす時間が多くなりますので、かなり仲良くなります。一方で、世間が狭くなることも否めないでしょう。

この他のメリット&デメリット

○部活を5年間続けることができる

3年生までは高校生扱い、4年生、5年生は大学生扱いとなります。野球部は甲子園を目指すこともできます。部活の運営は、学生がメインになるところが多いようです。一般的に1年生~2年生は部活に参加する学生が多いですが、3年生以降は減少してくるという傾向があります。
×研究活動がメインにはならない

高専5年次には卒業研究がありますが、時間が限られていますのでさらに研究をしたい人は、大学に編入して大学院へというのが最善の道でしょう。卒業研究は、指導教官に大きく依存します。しっかりとした研究実績のある教官だと、大学の学部と同じような卒業研究をすることができるのではないでしょうか?
×一般的に女子学生が少ない!
高専の機械系、電気系、土木系の学科で顕著です。それに起因し高専病という有名な病があります。これはどこの高専も共通ですね。

高専という特殊な環境を楽しめるかは、その人次第!

長々と書いてきました・・・・こうして見てみると、多くのケースで、メリットとデメリットはコインの裏表の関係にあることが分かります。高専という特殊な環境をメリットと考えられるか、デメリットと考えるかはその人次第ということになります。

さて、「沖縄高専の話を書く動機は何?」と疑問に思う方がいるかもしれません。筆者は、沖縄県内の中学校を卒業後、県外の高専に入学しました。その頃まだ沖縄高専は創立されておらず、沖縄の友人や親戚に高専について説明するのに苦労した記憶があります。今は沖縄高専が開校して時間が経っており、状況は変わってるかもしれません。ただ、沖縄県内では、まだまだなじみの薄い高専です。本特集では、学校説明会では分からないような、リアルの高専の雰囲気、元高専生の立場から感じた高専の姿などを紹介していきたいと思います。

次回以降は、授業、寮生活、就職、進学、学科選択、高専生活で気を付けたいこと、といったキーワードごとに、高専生活をイメージできるような記事をまとめていきます。次回は、高専の授業の雰囲気にフォーカスを当てましょう。沖縄高専に興味のある中学生、親御さんは、高専ではどんな雰囲気で授業をしているのだろう? どんな内容の授業をしているのだろう?と疑問に思うかもしれません。この疑問を解消するような内容にいていきたいと考えています。

第4回 高専の授業編 ~高校年次から大学と同じシステムで学ぶ~

2013.07.27

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