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入学者の評価が分かれる「高専」
なぜ進学する前に高専について詳しく知るべきなのか?その答えは、明確です。高専という独特のカルチャーに合う人は、5年間の学校生活や学業を大いに満喫し、合わない人は合わない。すなわち、入学して非常に良かったと感じる人と、入らなければ良かったと感じる人が分かれる教育機関だからです。
高専について詳しく知るには、その独特の制度を理解する必要があります。そこで第1回に続き、第2回では、高等専門学校(高専)の仕組みや教育制度について、分かりやすく解説しましょう。
5年の一貫教育が最大の特徴
高専の最大の特徴は、5年間の一貫した専門教育という点にあります。「高校(3年間)+短大(2年間)」に相当する5年間で、専門科目の座学(授業)と実験・実習を徹底し、大学とほぼ同等の専門知識を持った実践的な技術者を育成することを目指しています。高度成長時代に産業界から要請を受け、実践的な中堅技術者を短期間に育成する目的で、5年間一貫教育の高専制度ができました。高専は大学と同じ高等教育機関に位置づけられ、入学した人は「学生」と呼ばれます。高専の入学式や紹介の文章でよく聞く言葉です。
「独立行政法人 国立高等線専門学校機構」のWebサイトには、高専制度について次のようにまとめられています。
制度創設及び経緯 | 昭和37年度産業界からの強い要望に応えるため、実践的技術者を養成する高等教育機関として高等専門学校創設。平成3年度高等専門学校制度の改正(卒業後に称号〈準学士〉付与、分野の拡大、専攻科制度の創設) |
目的 | 深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する。 |
教員組織 | 校長、教授、准教授、講師、助教及び助手 |
称号 | 高等専門学校卒業生は、準学士と称することができる。 |
特徴としては、以下の5つが挙げられています。
- 中学校卒業後の早い年齢段階から5年の一貫した専門教育
- 理論的な基礎の上に立っての実験・実習・実技を重視した実践的技術教育
- 少人数クラス編成、さらに教授、准教授、などの教育スタッフによるきめ細かな教育指導
- 卒業生に対する求人倍率約10~20倍、就職希望者の就職率ほぼ100%
- 卒業生の約4割が高専専攻科へ進学、又は大学3年次へ編入学
高等専門学校という名称から、高等学校(高校)や各種専門学校、高等専修学校と混同されることが多くありますが、制度が大きく異なりますので、注意が必要です。
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