沖縄高専が各種コンテストで存在感、全国区での活躍光る

沖縄高専の学生の活躍が目覚ましい。全国区で開催されているさまざまなコンテストで受賞が続いている。2016年に入って3月20日までの期間に公式ホームページで紹介されているものを挙げる。

■起業家甲子園(2016年3月8日)
2社から企業賞
主催:総務省、国立研究開発法人情報通信研究機構

■第16回理工系学生科学技術論文コンクール
特別賞(2名が受賞)
主催:日刊工業新聞社

■2015年IEEE福岡支部学生研究会奨励賞
主催:IEEE Fukuoka Section
※2002年の第1回以降、高専生が受賞するのは初

■ICTビジネスモデル発見&発表会2015年全国大会(2016年2月16日~17日)
総務大臣賞(キャンパス部門で最も優れた作品)
主催:ICTビジネス研究会、テレコムサービス協会

■第9回全国高専英語プレゼンテーションコンテスト
COCET賞(Council of College English Teachers’ Award)
主催:一般社団法人全国高等専門学校連合会、全国高等専門学校英語教育学会

■サイエンスキャッスル2015東北大会
サイエンスキャッスル審査員特別賞および、研究奨励賞
主催:株式会社リバネス

■IEEE第7回エッセイコンテスト
「WIE」と「UNDERGRUDATE」の両部門にて優秀賞
主催:IEEE Tokyo GOLD Affinity Groupなど
※「WIE」は年齢制限ない中での受賞。これまでは大学生~大学院生~研究者から受賞者を出してきた。

わずか数ヶ月の間にこれだけの受賞報告である。公式ホームページの過去の履歴を見れば、さまざまな分野のコンテストで活躍していることが見てとれるだろう。高校生と大学生に相当する年次の学生において、これだけの成果を挙げているのは県内では沖縄高専だけだ。

なぜ、沖縄高専がこれだけの成果を挙げられるのか――。3つの理由があると考える。

1、学業に集中、熱中できる環境

同じような分野に興味を持つ学生と教官が集まり、就業時間のみならず、寮生活を通して寝食を共にすること。そして、娯楽が極端に少ない辺野古という場所、この2つの相乗効果が生み出す「環境」の効果は計り知れない。

2、博士号を持つ教官による指導

高専教育のひとつの特徴が、高校生の年次から博士号を持つ教官から教育や指導を受けられることである。一長一短あるものの、何かを吸収したいと強く感じる学生にとっては魅力的な環境だろう。

3、コンテストやイベントに積極的に参加/応募していること

当たり前と感じる方もいるかもしれないが、教官や学生にとってコンテストやイベントに参加することは本業ではない。それにもかかわらず、時間と労力を割き、きちんと形にしてコンテストやイベントに参加していることがうかがえる。とても素晴らしいことだと感じる。

2015年度沖縄高専卒業式における卒業生代表の答辞として、沖縄タイムスの紙面に次のような言葉が紹介されていた。

「5年間は驚くほど短く、密度が濃く、素晴らしい日々だった」

この短い言葉に、今の沖縄高専の持つ雰囲気、風土が端的に表現されていると感じた。この他にも、IEEE第7回エッセイコンテストにおいて受賞した「工学と女性」と題したエッセイ(情報通信システム工学科2年 知名紗也加氏)では、「マイコンのデザインコテンスト」や「九州高専生フォーラム」といったイベント体験の中でさまざまなことを感じながら、夢を固めていく姿が自分自身の言葉で描かれている。

URL:http://www.ieee-jp.org/tokyogold/pdf/2015Essay2ndwie.pdf

周囲のさまざまな雑音に惑わされることなく集中できる、考えることのできる環境と時間が、沖縄高専にはあるのだろう。

学力が最下位であるという沖縄のイメージは沖縄高専に当てはまらない。基地問題ばかりにフォーカスが当たる沖縄の中で、さまざまな受賞報告は、沖縄県内のみんなを元気にするきっかけになる。継続的な取り組みのみならず、受賞内容について詳しく分かりやすい、積極的な情報発信にも期待したい。

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