石垣島で電気推進船を実用へ、海洋沿岸での観光・レジャー利用は初の試み

石垣島で電気推進船を実用へ、海洋沿岸での観光・レジャー利用は初

バンダイナムコグループのVIBE(本社:東京都)は2014年2月、沖縄県石垣島でマリンレジャーを目的とした電気推進船(EV船)の実用化を進めると発表した(ニュースリリース)。

電気推進船とは、ディーゼルエンジンで直接プロペラシャフトを回転させるのではなく、船舶の動力源として蓄電池または発電機を採用するもの。これらの電気エネルギーを動力源としてプロペラを回転させる(VIBE社らが実用を進める電気推進船はリチウムイオン電池を利用)。速度が遅く、航続距離が短いという弱点がある一方で、振動が少なく騒音が小さい、メンテナンスが容易だという利点がある。

実用化を進める電気推進船は全長約19.5m、容積が19トンの双胴船(カタマラン)。船底の一部分をガラス張りにする。テーマパーク(ハウステンボス)や河川で電気推進船が実用化されたケースはあるが、国内海洋の沿岸を航行させる観光船に利用するのは初めての試みだという。沖縄タイムスの記事によれば、「船は(2014年)10月に完成予定で、今後は石垣市と連携し、EV船を委託管理するレジャー事業所を公募し、来春(2015年春)のサービス開始を目指す」。

なおこの取り組みは、沖縄県の一括交付金事業「亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業」の支援を受けたもの。研究開発テーマは「陸上電源基地およびEV船を活用した離島における自立型地域エネルギー基盤の研究開発」、研究開発責任者は東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科の准教授である清水悦郎氏。