沖縄科学技術大学院大学 (OIST)は2015年2月2日~2月3日、次世代のエネルギーシステムについて議論する「第2回 オープンエネルギーシステム(OES)国際シンポジウム」を開催した。
オープンエネルギーシステムとは、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネギーを電力源として、電力の生成と消費を分散化させた次世代のエネルギー供給/消費システムのこと。大規模な発電所に大きく依存した現在の電力供給システムを革新するものとして期待されている。
同シンポジウムでは、OIST教授で、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 (Sony CSL)代表取締役社長を兼任する北野宏明氏の「オープンエネルギーシステム:地球規模の課題である持続可能性の解決に向けて」と題した講演を皮切りに、合計14の講演やパネルディスカッションが実施された(講演プログラムはこちら)。
OISTのWebサイトによれば、「100名を超えるエネルギー専門家やベンチャー投資家、政府関係者が世界中からOISTに足を運び、再生可能エネルギーや汎用性の高い分散型エネルギーシステムの潜在的な可能性について話し合った」という。
なお、OISTとソニーコンピューターサイエンス研究所は、オープンエネルギーシステムの実例として、OISTの教員宿舎に直流送電のマイクログリッドを構築し、実証を進めてきた(関連記事:ソニーが直流送電システムを沖縄で実証、「DCマイクログリッド」の実現目指す)。
合計19戸の住宅の屋根に太陽光発電パネルを設置し、各家庭に生成した電力を監理・分配するエネルギーサーバーが用意されている。サーバー間で直接情報をやり取りすることで、複数の家庭が電力を融通し合い、使用者の需要に応じて電力が自動的に分配される仕組みになっているという。
OISTの教員宿舎に設置された直流送電網システムについての発表資料(pdf):DCOES:DC-Baced Bottom-Up Energy Exchanged System for Community Grid, Mario Tokoro, Sony CSL