沖縄というと観光・レジャーや米軍基地に注目が集まりがちですが、実は日本の中で一二を争うといっても過言ではないほど、さまざまな先端技術の可能性の検討や、実証実験が実施されている場所でもあります。
例えば、
・太陽光発電や波力発電、風力発電といった「再生可能エネルギー」
・情報通信技術の力で電力流通を最適に制御する「スマートグリッド」
・高品質な蓄電池を備えた「電気自動車」や「超小型EVモビリティ」
・蓄電池に貯えられた電力を直流のまま送る「直流送電」や「マイクログリッド」
などです。
断片化されていたすべてのモノがつながる新しい世界へ
これらのトピックを断片的にみると何の関連性もないように思えますが、すべて相互に関連し、「スマートシティー」の創出につながります。スマートシティーとは何でしょうか。それは、すべてのものがつながり、相互に最適な状態を保つ仕組みが導入された街のことです。
例えば、再生可能エネルギーが生み出した不安定な電力を蓄電池が受け止め、その時々の「情報」をうまくやり取りすることで最適に電力流通を制御する。電気自動車や超小型EVモビリティは、インフラとつながり「情報」を介することで、ただの移動手段ではなく、蓄電池やセンサーの役割を担う。ユーザーのさまざまな「情報」を公衆無線LANでインターネットに送ることで、今までにない恩恵を自然に受けられるようになる。
将来に見えているのは、これまで断片化されていたさまざまな「モノ」がすべてインフラにつながり、情報をやり取りすることで最適な状態を作るという、新しい世界です。
ここ沖縄は、新しい世界を形作るひとつひとつの断片が、実証される舞台となっているのです。そう考えると、新聞を見れば米軍基地や選挙、過去の戦争の話題ばかりがあふれる中でも、元気が出てきませんか? まず、このことを沖縄に住む多くの方に知って頂きたいと考えます。
実証実験は、沖縄に何を残すのか?
今後は、さまざまな実証実験が沖縄に残してくれるものを、考えていく必要があるでしょう。エコまたは先端的な技術が研究・実験されることが観光・レジャー業界の集客の後押しになるのか、それとも沖縄の学生やエンジニアの教育につながるのか、分かりません。ただ、一時的な取り組みになってしまったり、ただ場所を貸しているだけというだけでは、とてももったいないことだと考えます。