沖縄電力が太陽光発電の接続限界超過を発表、300kW出力以上の受け入れを制限へ

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沖縄電力は2013年12月24日、沖縄本島における太陽光発電の接続申込量が接続限界の目安である57MW程度を超過したことを明らかにした(関連記事沖縄の電力インフラに異変あり、沖縄電力が離島の太陽光発電の新規接続を保留)。

同社は同年12月3日に、「沖縄本島における太陽光発電(出力300kW以上)の接続申込量が50MW程度となっており、早ければ12月中にも接続限界の目安である57MW程度に達する見込みだ」と説明していた。今回はこれの続報。わずか、20日で7MWもの太陽光発電システムの接続申し込みがあったことになる。

太陽光発電の接続申込量が接続限界を超えた理由について同社は、「沖縄本島は小規模かつ単独系統であるため、再生可能エネルギーの接続量に限界が生じやすい状況」と説明している。一般に電力系統では、需要(消費)と供給(発電)のバランスをうまく取ることで周波数を一定に保っている。太陽光発電は天候により大きく発電量が変動してしまうため、電力潮流に占める太陽光発電の割合が大きくなってしまうと周波数を安定に保ちにくくなってしまう。

沖縄電力が太陽光発電の接続限界超過を発表

表1:沖縄電力が太陽光発電の接続限界超過を発表するまでの経緯をまとめた(クリックで拡大)

メガソーラーの設置拡大に水を差す事態に

沖縄電力は、以下の2つの方策で接続可能電力の拡大に取り組む考えだ。まず1つ目は、大型蓄電池の設置。沖縄電力の系統実証施設に、2MWの鉛蓄電池を設置し、1~2年の実証を経て実用につなげる。これが実現できれば、接続可能量を1割弱程度増やせる可能性がある。

もう1つは、新たな送電網の実証だ。経済産業省は、気候変動予測や大型蓄電池制御、出力抑制などを組み合わせた、いわばスマートな送電網の制御・管理技術について実証事業を行うべく、平成26年度概算要求に44億円を計上しているという。

ただし、いずれも短期的な解決策にはならず、当面は300kWを超える規模の大きな太陽光発電システムは、電力系統に新たに接続できなくなった。なお、家庭用の太陽発電システムの発電電力は数kW~大きくても数10kWであるため、対象外である。

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