沖縄の電力インフラに異変あり、沖縄電力が離島の太陽光発電の新規接続を保留

沖縄県内で太陽光発電に関連した事業を展開する企業にとっては、今後の展開が不安な状況だ。琉球新報や八重山毎日新聞の報道によれば、沖縄電力が八重山や宮古、久米島において太陽光発電の新規接続の申し込みを保留している。

八重山毎日新聞の記事によると、沖縄電力は「離島における接続申し込みの回答については検討結果が出るまでの間、しばらく保留させてほしい。検討結果によっては接続できないこともあり、あらかじめ了承願いたい」という文書を、太陽光発電設備の取扱業者に2014年2月20日付けで送付したという。八重山支店管内の太陽光発電の接続件数は同年1月末現在で約830件、1日当たりの発電量は7500kW程度。

今後の沖縄電力の動向は非常に重要

一般に電力インフラでは、需要(消費)と供給(発電)のバランスをうまく取ることで周波数を一定に保っている。周波数が安定しないとありとあらゆる電子機器に影響を与えてしまうため、周波数を安定させることは電力インフラにとって重要な項目だ。石炭や石油をエネルギー源として発電機であれば周波数は一定に制御しやすいが、電力潮流に占める太陽光発電の割合が大きくなってしまうと周波数を安定に保ちにくくなってしまう。太陽光発電が生み出す発電量は、天候によって時間的に大きく変動するからだ。特に、電力系統の規模が小さい離島エリアでは、消費と発電のバランスを緻密に制御する必要があり、今回の新規接続の申し込み保留に至ったようだ。

同社は2013年12月24日に、沖縄本島における太陽光発電の接続申し込み量が接続限界の目安を超え、発電規模が比較的大きい300kW出力以上の太陽光発電の受け入れを制限することを発表していた(関連記事沖縄電力が太陽光発電の接続限界超過を発表、300kW出力以上の受け入れを制限へ)。

仮に沖縄全域において、発電規模の小さな太陽光発電システムまで新規受け入れを制限することになれば、沖縄の再生可能エネルギーの広がりに大きく水を差すことになる。さまざまな企業がテレビやWeb上でプロモーションを実施し、太陽光発電システムを導入する機運が高まっているだけに、今後の沖縄電力の動向は非常に重要だ。